今回は、シンプルな財布の試作品を作成します。
デザインは大まかに完成した状態からにはなりますが、試作品が出来るまでの手順をざっくりとご紹介したいと思います。
デザイン(設計)
アイデアは頭の中で完璧に形作られていても、それを実際の展開図や部品ごとの設計に落とし込むのは簡単ではありません。時には、わずか数ミリの変更が、予期せぬ影響をもたらすこともあります。
そのため、アイデアを具体化するデザイン・設計作業は、通常、最も時間を要する作業です。
デザイン・設計には、「手描き」「PCでCADソフトなどを使用」の2つの方法がありますが、変更や修正が容易にできるPCでの作業がおススメです。
ペーパークラフト
通常であれば、設計図をプリントアウトして厚紙に貼り付けて型紙を作成しますが、その前にプリントアウトした紙からパーツを切り出し、ペーパークラフトのように組み立ててみるという手順を踏みます。
この作業をすることによって、設計に大きな間違いがあるかどうかを早い段階で確認することができます。
組み立ててみて、修正点などがあれば、ペーパークラフト上に直接書き込んでおきます。
※特に革の厚みなども考慮して修正点を洗い出しましょう。
紙のパーツを組み立てる際に「テープのり」があると非常に便利です。
型紙
修正を完了したら、再度プリントアウトして、厚紙に貼り付け、型紙を作成します。
以前の記事に型紙の作り方が掲載されていますので、ご参照ください↓
作業を進める際に、後で混乱が起こらないように、型紙にパーツの名前や使用する革の厚み、金具の種類などを書き込んでおくのも良いでしょう。(CAD等で作成した場合、データの方にもその情報を反映させておきましょう)
B級革を使用
では、実際に革を使用した組み立て作業に移りますが、念には念を入れて注意深く進めます。作品には使えないような、キズや汚れのあるB級革または牛床などを使用して組み立てていきます。
この作業をすることによって、間違いを最小限にとどめることができ、ボリューム感や最終的な修正箇所の確認をすることができます。
最終確認
B級革を使って試作品を作ったとしても、最終的な作品とは細部が微妙に異なる可能性があります。その場合は、本番用の高品質の革を使って試作品を作ることも検討しましょう。
また、試作品を一定期間自ら使用したり、テストユーザーに意見を求めたりして、使い勝手や耐久性など、あらゆる角度から問題がないか確認しましょう。
まとめ
今回、試作品を完成させる手順をざっくりと説明しました。
作業に慣れていない間は、革を無駄にしないためにも、念には念を入れて確認を重視し、慎重に進めることが大切です。そのようにして、コストを抑えつつ正確に最終形に到達することができます。
さらに、これらの作業を繰り返し行うことで、経験やスキルが向上し、将来的には手順を省略し、より効率的に作業を行うことができるでしょう。
今回の試作品をベースに完成させました。↓
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