ある日、お客様が「ハンドバッグの持ち手を修理してほしい」と持ち込まれました。そのハンドバッグを見ると、持ち手は長年の使用でかなり傷んでおり、今にもちぎれそうになっていました。

さらに、お客様が一緒に取り出したのは、市販の持ち手…。
「これに交換できますか?」と相談を受けました。

問題発生
しかし、ここで問題発生!
ハンドバッグ本体に使われているの革の色と市販の持ち手の色が微妙に合わず、さらに金具の色も全く異なっていました…。
このまま取り付けると、違和感が出てしまうため、持ち手の色を調整し、金具も変更することにしました。
市販の持ち手をカスタマイズ
まず、市販の持ち手に付いている金具を『金具はずしキット』で外します。

※『金具はずしキット』の使い方は以前の記事を参考にしてください↓
そして、金具は雰囲気に合うものをチョイス。
ハンドバッグ本体に使われている金具が金色だったので、近い色の「両面カシメ」と「角カン」を用意しました。

ハンドバッグ本体の革が黒に近い焦げ茶色だったため、市販の持ち手には、まず『染めQ』のブラックを塗り、その上からエスプレッソブラウンを重ねることで、違和感のないように塗装しました。

そして、本体と持ち手をつなぐ革パーツを製作。

これで必要なパーツがすべて揃いました。
修理
それでは、修理作業に取り掛かります。
まず、ちぎれかけた持ち手を、本体にキズをつけないよう注意しながら取り外します。

次に、角カンを通した革パーツをハンドバッグ本体の端に挟み込み、縫い付けます。

最後に、両面カシメで、持ち手を取り付けます。

修理完了!
そして、仕上がったのがこちら!

持ち手を塗装し、金具を変更することで、全体に統一感が生まれたのではないでしょうか。

お客様にも「すごい!全然違和感がありませんね!」と喜んでいただけました。
まとめ
今回の修理では、市販のパーツにひと工夫加え、色の調整や金具の変更を行うことで、ハンドバッグ全体に統一感を持たせることができました。単なる交換ではなくカスタマイズすることで、オリジナリティのある仕上がりになり、お客様にもご満足いただけました。
市販のパーツでも、ひと手間加えることで、自分だけのオリジナル修理が実現でき、さらにコストも抑えることができます。ぜひ挑戦してみてください。
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